口呼吸の次は舌癖についてです。舌先は上顎前歯のすぐそばの裏側の粘膜についているのが正しい位置です。この位置をスポットといい、舌先は歯に触れていません。舌先が歯に触れるのは悪い癖で、前歯が外側(唇側)に移動し、出っ歯になります。口呼吸をしていると舌は全体的に低い位置に留まるようになり(低位舌)、舌先で舌の前歯を外側に押すようになります。お分かりのように、舌の前歯が出っ歯になり、切端咬合や反対咬合の原因となります。乳歯に大きな虫歯ができたり、早く抜けてしまったり、生えてこなかったりすると、歯並びのその部分に隙間ができます。舌を押し付けてその隙間を埋めようとする癖がつくと、これまた歯並びが悪くなる原因となります。
唾液を飲み込む(嚥下)するときは口の中の圧力が低くなります。舌を上顎(口蓋)の粘膜に当て、上下の歯を接近させ、頬をしぼませて、口の中の圧力が低い状態が保たれないと唾液を嚥下しにくくなります。試しに口を開けたままで唾液を飲み込んでいてください。とても難しい作業だとお分かりになるでしょう。口呼吸をしていると唾液を嚥下しにくいのです。これに対して舌先を上下の歯の間に押し込み、口の中の圧力が下がるようにすれば、唾液を嚥下しやすくなります。これが舌突出癖ですが、出っ歯や上下の前歯の間に隙間ができる開咬の原因となります。下唇を上下の前歯の間にはさみ唾液を飲みやすくする方法もあります。これが咬唇癖ですが、上の前歯は外に出て、舌の前歯は内に引っ込む原因となります。
大きくなっても指しゃぶりが続くことも問題です。指しゃぶりの際に指を吸い込もうとして舌を前に出します。これが開咬の原因となります。
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